What is IT ?


「IT立国」と森首相は言うけれど…
「5年後には、我が国を世界の情報通信の最先端国家にする」と、森首相が国会の所信表明演説の中で力説したことは記憶に新しいことでしょう。「IT立国日本」を目指そうという動きが各方面でスタートしています。しかし、日本のITの現状は、世界的に見ると、どの位のレベルにあるのでしょう?

インターネット人口
 世界のインターネット人口は約3億6千万人で、国別では米国の約1億4千4百万人に次いで、日本は約2千7百万人で第2位となっています(7月現在)。しかし、人口に対する比率で見た普及率では、だいぶ様子が違っています。

インターネット普及率

 最もインターネットが普及しているアイスランドでは、お年寄りやこどももすべて含めて考えても、ほぼ2人に1人が使用していることになります。これに対して日本は4〜5人に1人といった割合で、第13位となっています。しかも、そのインターネットへの接続方法も、通常の電話回線を使う「ダイヤルアップ方式」という問題点の多い方式が大半を占めています。

インターネットへの接続方法
 日本で主流となっている「ダイヤルアップ方式」は、通信速度がとても遅く、電話料金もかさむため、インターネットの普及を妨げる大きな要因となっています。一方、米国等では、電話回線の10倍以上の速度で通信できるxDSL(既存の電話回線を有効利用するデジタル加入者線)やCATV(ケーブルテレビの光ファイバー網)といった高速の回線に常時接続(つなぎっぱなし)するという使い方が一般的となっています。韓国では、この1年間ほどの間にxDSLが一般家庭に急速に普及し、高速ネットワーク利用者数では、完全に日本を追い越してしまいました。
 
日米韓の高速ネットワーク利用者数(郵政省調べ)
 日  本アメリカ韓  国
CATV329,0001,410,000200,000
xDSL2,537370,0001,000,000

 日本でも、高速ネットワークへの期待は高まっていますが、いろいろな規制が足かせとなり、その普及はうまく進んでいないというのが現状です。森首相は、大容量の光ファイバーを用いた「超高速インターネット網」を日本全国に張り巡らせ、5年後には日本を「IT最先進国」にすると宣言しましたが、その道のりは険しいものになりそうです。

ケータイ・iモード
 IT関連で日本が世界をリードしているものはないのでしょうか? 実はひとつあります。それはiモードに代表される携帯電話からのインターネット利用です。8月末現在で約1,730万人が利用しています(郵政省調べ)。昨年12月には約370万人でしたから、わずか8ヶ月間で約5倍に増加しています。今や携帯電話は、「話す携帯電話」から「使うケータイ」へと進化し、いつでもどこでも使うことができる携帯情報端末として、その可能性をさらに多方面へと広げていこうとしています。私たちの生活をすっかり変えてしまうIT革命の本当の主役は、この「ケータイ」なのかもしれません。